韓国での病院・薬局の使い方
旅先で体調を崩すのは不安なもの。でも正直なところ、韓国は「いざ具合が悪くなったとき」に助かる国のひとつです。診察は早く、薬局はあちこちにあり、夜間や日曜のための仕組みもきちんと整っています。距離が近く時差もないので、いざとなれば日本語のサポートにもつながりやすいのも安心材料。この記事では、旅行中に本当に役立つ「実践編」を日本人向けにまとめました。あくまで一般的な案内で、医療上の判断は現地の医師・薬剤師にご確認ください。
薬局(약국・ヤックク)の基本
- 緑の十字マークか、「약(ヤク・薬の意味)」の文字が目印。クリニックの周りや地下鉄の出口付近にかたまっていることが多いです。
- 韓国の薬剤師は処方薬も市販薬(OTC)も扱います。症状を伝えれば、それに合う薬を選んで手渡してくれるスタイル。日本のように棚から自分で選ぶより、カウンターで相談する形が中心です。
- 言葉の心配はほどほどでOK。観光エリアの薬局なら簡単な英語や翻訳アプリで十分に通じます。日本語が通じる店もありますが、確実ではないので翻訳アプリを用意しておくと安心です。
- 営業時間はおおむね平日の日中が中心。夜間や日曜は下の「3つの手段」を覚えておきましょう。
日曜・深夜に具合が悪くなったら——3つの手段
- ① 当番薬局(공휴일 당번약국) — 各エリアには、祝日や夜間に交代で開ける当番薬局があります。公式の検索サイトはpharm114.or.kr(韓国語。ブラウザの翻訳機能でOK)。探すのが大変なら、ホテルのフロントに調べてもらうのが手っ取り早いです。
- ② コンビニ(24時間) — CU・GS25・セブンイレブンでは、法律で定められた基本的な薬を24時間買えます。具体的にはアセトアミノフェン系の解熱鎮痛薬(タイレノール)、かぜ薬、消化剤、鎮痛シップなど。日本のコンビニより買える薬は多い印象で、薬局が開くまでの一晩をしのぐには十分です。
- ③ 病院の救急室(応急室・ウンググシル) — 重い症状なら24時間対応の救急室へ。ただし救急室は本当に急を要するとき用で費用も高め。かぜ程度なら、翌日にクリニックが開くのを待つのが賢明です。
外国人が病院にかかるには
- クリニック(의원)は予約不要 — 基本的な診療は飛び込みでOK。日本のような予約文化はありません。パスポートを持参し、韓国の保険がない分は全額自己負担になります(軽い診察なら比較的手ごろですが、海外旅行保険には入っておくのが安心)。
- 国際診療センター — ソウル・釜山(プサン)など大都市の大病院には、英語の話せるスタッフがいる外国人向けの国際診療窓口があります。日本語対応の医師がいる病院もあり、在韓日本国大使館のサイトなどで探せます。
- 処方薬は、クリニックのすぐ隣か同じ建物内の薬局で受け取ります。プリントされた処方箋(処方箋・チョバンジョン)を渡すだけ。
診察の流れ——実際はこんな感じ
初めてだとテンポに戸惑うので、あらかじめ流れを知っておきましょう。受付でパスポートを渡し、簡単な問診票を書きます。待ち時間は短いことが多く、診察もあっさり。韓国の医師はてきぱきしていて要点だけを話す傾向があり、長めの診察に慣れていると「素っ気ない」と感じるかもしれません。でもこれは冷たいのではなく、こちらの標準的なスタイルです。
聞きたいことは診察室を出る前にすませておきましょう。次はもう会計です。会計後にプリントされた処方箋を受け取り、それを持って隣や地下の薬局へ。数分待つと、薬剤師が飲み方をていねいに説明してくれます。韓国では1回分ずつ小袋(パウチ)に分けて渡してくれることが多く、これがとても便利。わからない点はその場で薬剤師に確認しておくのがコツです。
言葉が通じなくても症状を伝えるコツ
薬局でのやり取りは「話す」より「見せる」ほうがスムーズ。入る前のひと手間で、しどろもどろの会話が30秒で終わります。
- まず翻訳アプリに主な症状を入力しておく — 「昨日から喉が痛い、熱はない」のように一文で用意すると、その場のやり取りより早く伝わります。
- 指さし+ジェスチャー — 痛い場所、せき、お腹の不調を身ぶりで。薬剤師は毎日これを読み取っているので、驚くほど通じます。
- いつも飲んでいる薬の箱や写真を見せる — ブランド名は違っても、薬剤師が有効成分を見て韓国の同等品を出してくれます。
- アレルギーと服用中の薬を伝える — 英語で短くスマホにメモしておけば、翻訳アプリでしっかり読み取れます。
もし薬剤師から「薬より医者に診てもらったほうがいい」と言われたら、素直に従いましょう。カウンターで対応できる範囲を超えているというサインです。前述のとおり、韓国のクリニックは予約なしですぐ診てもらえます。
覚えておきたい番号
- 119 — 救急車・消防(通訳をつないでもらえます)。日本と同じ番号なので覚えやすいですね。
- 112 — 警察
- 1330 — 韓国旅行ヘルプライン。24時間・多言語対応(日本語あり)。開いている薬局やクリニック探し、電話越しの通訳まで手伝ってくれます。旅行者にとって最も心強い番号です。
- e-gen.or.kr — 国の応急医療ポータル(開いている薬局・救急室が探せます。韓国語ですが翻訳で対応可)。
持っていくと安心な常備薬
ふだん飲んでいる薬(向精神薬など管理が必要なものは処方箋のコピーも)、フェリーや山道のバスに乗るなら酔い止め、そして「これじゃないと」という愛用の1品。韓国にはほぼ何でも同等品がありますが、名前は違うので、使い慣れたものは日本から持参すると気がラクです。荷造りのコツははじめての韓国 最初の1週間のガイドもあわせてどうぞ。
旅先でやりがちな「体調管理」の失敗
- 何日も我慢してしまう — 韓国は診察が早く予約も不要。悪化してからより、早めに行くほうが結果的にラクです。症状が重い・改善しないときは、自己判断で粘らず早めに受診を。
- かぜ薬を重ねて飲む — 総合感冒薬は成分が重複しがち。日本から持ってきた薬と混ぜるのは本当に危険なので、組み合わせる前に必ず薬剤師に相談を。
- いつものブランドを店で探し回る — 特定の外国製品を探すと丸一日つぶれます。症状を伝えるか成分を見せれば、数分で同等品が手に入ります。
- パスポートを忘れる — クリニックの受付にはIDが必要。パスポートがないと診てもらえないこともあります。
- 小袋の飲み方をうっかり忘れる — 1回分ずつの日付入りパウチは、薬剤師が説明したスケジュールどおりに飲んでこそ効果的。あやふやなら説明を写真に撮っておきましょう。
よくある質問
Q. 日曜や深夜に薬が必要になったらどうすればいいですか?
手段は3つあります。第一に、祝日や夜間に交代で開く当番薬局(検索サイトはpharm114.or.kr、ホテルのフロントに調べてもらうのも手です)。第二に、24時間営業のコンビニで基本的な薬を買うこと。第三に、重い症状なら病院の救急室へ。かぜ程度なら、翌日にクリニックが開くのを待つのが賢明です。
Q. 韓国の病院は予約なしで行けますか?
まちの小さなクリニック(의원)は基本的に予約不要で、飛び込みで診てもらえます。受付でパスポートが必要なので必ず持参してください。韓国の保険がない分は全額自己負担になるため、海外旅行保険に入っておくと安心です。
Q. 日本語が通じる病院はありますか?
ソウル・釜山など大都市の大病院には外国人向けの国際診療センターがあり、日本語対応の医師がいる病院もあります。困ったときは、24時間・日本語対応の韓国旅行ヘルプライン「1330」に電話すれば、開いている薬局・クリニック探しや電話越しの通訳も手伝ってくれます。
Q. 韓国のコンビニで薬は買えますか?
買えます。CU・GS25・セブンイレブンでは、法律で定められた基本的な薬——アセトアミノフェン系の解熱鎮痛薬、かぜ薬、消化剤、鎮痛シップなど——を24時間購入できます。薬局が開くまでの一晩をしのぐには十分です。